昨日は夜勤明けであった。いつもの様に、帰宅してから10km走に出かけた。するとどうだろう、昨日は事情がまるで違っていた。走れない。きつい。すぐに息が上がる。もう5km行かない時点でパニックが襲ってきた。
8kmいくか行かないかのところで息が完全に上がってしまい、もはや走ることが難しくなっていた。ついに歩きを決意。止まりはしなかったが、歩きに変えてしばらく呼吸を整えた。どうしようか、ルートを短く変えようか。それとタイム計測を止めようか。
しかし、いずれも納得がいかなかった。最後まで続け、ゴールする。道も変えない。激しい息遣いの中、どうにか歩きながら呼吸を整えて続きを走った。区間タイムはそれでも多少遅くなっただけで、そこまで絶望的ではない。よし、何とか最後まで行けるか。
「なぜだろうか。どうして息が上がってしまったのだろう。なんでこんなにきついのか。」この問いばかりが頭をグルグル巡って、悔しさが込み上げてきた。今までこうした事は一度もなかった。今回が初めて。身に付けている機器のトラブルではない。自分の体のトラブル。
以前、こうしたトラブルを経験したのは肺炎を起こしかけている時期のことだった。肺の活動に制限がかかった様になり、呼吸がうまく調整できない。とにかく安定しない。ゼイゼイと音が鳴る。恐怖心がドンドン膨らんできた。
いつもは何ともなく走り切る距離が、とてつもなく遠く感じた。なぜ。なぜ。なぜ。とにかく、その時に起きていることを解明しようと頭を使うが、答えは出てこない。呼吸も安定しない。ペースをいくら落としても、すでに体力を使い切ってどうにもならない。
帰宅してから、ズドーンと疲労感が襲ってきた。クラクラする。倒れ込みそう。その日は爆睡した。寝ている時は足もつった。これは久々のことで、よほど疲れていたのかなと感じた。1日経過を見たが、それ以上の体調変化は見られなかった。
なぜ、こんなに走れなかったのか。考えられる原因はいくつかあった。
1:最近の疲れ
運動は早朝マラソンだけでなく、夕方にも剣道の素振りと一人稽古を行っている。これが結構な運動量で、これだけでも疲労感を感じる。また、仕事以外にも休日を使って活動していたため、十分な休養が取れていなかった。
休養を取ることがいかに大切か。最近はとくと思い知ったばかりである。何も考えずにのんびりと羽を休めることの大切さ。しかし仕事外の活動が多くなってきていて、それが精神面でもストレスになりつつあった。
2:栄養不足
かなり痩せているため、今は骨のゴツゴツ感が気になるほど。それでもBMIは21以上ある。もちろん22はないが、そこまで痩せてはいないものの、栄養面では低いのかもしれない。例えばタンパク質の摂取量だ。
3:何らかの病気の前触れ
考えられる病気は二つあって、一つは気管支炎だ。これはアレルギー症状のもので、実は夜勤に入る夕方の分を飲むのを忘れていた。翌日分は持ってきていたので飲んでいたが、これが効いたのかもしれない。もちろん、目に見えて症状が出たわけではない。
もう一つは肺炎などの気管系の病気だ。前回、まず異常が起きたのは息遣いの状態だった。何か物足りない。上手く呼吸できていない。そんな感じがあって、今回もそれに似ていた。
4:夜勤時の疲れ
夜勤中はほぼ食べない。朝はおにぎりを食べるんだけど、帰宅して走る時には腹が鳴っている。また、水分もそれほど取るわけではないし、睡眠不足である。業務時は疲労も溜まるし、それが解消できない時は朝からかなりキツイ。
以上が検討したことだ。
翌日の走り具合では、完走できたもののタイムはあまり伸びていなかった。それまでの時間、十分に休養を取り、栄養を摂って休んだつもりだ。でも、やはり完全には回復していなかった。この状態を見るに、今出せた結論は以下の通りだ。
まず、最近は疲れが少しずつ溜まっていた様に感じたことだ。精神的にもイライラしていた。運動をかなりしていたにも関わらず、最近は、朝走る際には疲れを感じていた。夜勤前の走る時でさえそうだった。
ダウンした翌日、朝には回復して走れたし、肺の状態も悪くはなかった。つまりは疲労の回復によって、一晩で「ある程度」走れるまでに回復したのかと言う結論だ。
次に栄養不足。これも考えられた。体重の低下が続いていて、これも気になる材料だった。今後、タイムや体力の劣化と疲労感の増大が続く様なら、この見直しも考えなくてはならない。例えば、メスを入れるなら夕方の食事内容に肉をプラスすることだ。
そして病気の件。恐らくは昨晩の夕方の薬の飲み忘れが響いたのかもしれないが、特に症状が出たわけでもなく、肺にだけ負担がかかることはあまり考えられなかった。翌日には回復していることから、肺炎などの病気ではないだろう。
最後に夜勤の負担が出たのかということ。それはあるだろうが、今まで、夜勤明けに何度も走ってきた。体がふわふわとするくらいで、特に支障は出なかったのだ。しかし、疲れが重なっていた場合は別だろう。
また、別の要因も考えられた。走行タイムは、走れば走るほど縮むものではないということ。体調によってはひどく悪くなることだってある。そのため、その日の体調に合わせたペーシングを即座に見出して走らなくてはならない。今回はそれに失敗した。
タイムがこれ以上悪くなると嫌だから。ただ、それだけの理由で無理にペースを上げて体を壊した可能性がある。そのため予想以上に体力を消耗し、ペースを掴めずに安定した走りができなかったと考えられる。
次に、調子が狂って頭が混乱したことだ。なぜ、なぜ。そんなことばかり考えていた。考える必要は何もなかったのだ。今まで経験したことのない予想外の事態に驚いた。それが全てのコントロールを乱してしまった。
こうした複合的な問題が私をダウンさせたということだろうか。大事なことは、昨日起きたことは今後も起きる可能性が高いと言うことだ。そうした場合、混乱から抜け出す、あるいは立て直すための工夫が必要だろう。
まず、体調によってタイムは上下するということ。いくら走り慣れていようが、悪い時は徹底して悪いことがある。それがこれだったと。なので、そんな時は走り切ることを念頭に、我慢してゆっくりと走る。その我慢が自分にできるのかどうか。
次に、何のために、何を目標として走るのかを考えること。何のために運動をしているのか。細かい目標やゴールは、その日その時で変わっていく。だとしても、運動や走るのを楽しむことだけは忘れないでおきたいと思う。さて、今日はゆっくり休んで明日もまた運動するか。