中国東北部の歴史を巡って、中国と韓国の歴史論争が続いている。
報道などであまり話題にはならないが、ネットや学会などでは竹島に負けず劣らず激しく火花を散らしているのだ。
そもそも東北工程とは中国東北部~朝鮮半島北部にかけて存在していた渤海、高句麗、扶余などの国家の歴史を中国に帰属させるというものだ。そのために国を挙げての歴史調査から学説の確定にいたるまでの作業の事を指す。
これに対して直接国境を接する北朝鮮ではあまり異議を唱えていないが、韓国ではこうした動きに『高句麗を始め渤海や扶余などの国家は我らの歴史的範疇だ』と激しく異を唱えているのだ。
こうした論争は学術的には民族の帰属問題の他、歴史的事実をどの様に捉えるかという問題となるが、実利的に見ると『歴史的領有権』という厳然たる国家利益に変わるのである。
これを過去の学術上の問題と捉えてはならない。現在日本でも中韓と揉めている竹島や尖閣諸島の領有問題は、こうした論争の延長線上にあるのだ。
中国と韓国で言えば北朝鮮の領有帰属がそれにあたる。
韓国にとって一番のマイナスは歴史的事実を記した書簡が大変乏しく、保管状態もあまり良くない事である。
よって日本や中国との歴史的事実の争いは常に相手側の歴史記録を頼りに学説を立てねばならない事である。
そうした中で、北朝鮮や韓国など半島の人々の発祥の地とされる白頭山がほぼ完全に中国の歴史に組み込まれようとしている。
白頭山は当然北朝鮮の領有地もあるが、大部分は中国側が掌握している。その結果、最近中国では次期冬期五輪の候補地としてこの地を取り上げ、『白頭山』の名称を完全に中国側の呼称である『長白山』という呼び名で国際的に広めつつあるのだ。更には『長白山ブランド』なるものも作り出した。
それだけではない。吉林省にある白頭山周辺の学校の名称を長白山に統一させた上、白頭山頂上にあった韓国系ホテルに立ち退きを求めるなど、次々と現実的な行動を取り出している。
こうした動きに対し、韓国政府内では経済や北朝鮮問題を中国にかなり依存している為にこうした関係にヒビが入るとの懸念のせいもあって、なかなか対抗策を打ち出せないのが現状である。
私的に言えば、この問題は中国の勝ちであるがどちらの歴史にも属さないと思う。まだまだ未解な部分もあるが民族的にも政治的にも別々の国家だからだ。
日本もこうした問題を注視しておく必要ありだ。
2007年2月10日土曜日
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