2015年8月2日日曜日

退職を決めた瞬間と理由について

 退職は、唐突に決めた訳ではなかった。
上司との確執が最初にあって、大きな失恋、その次に新しい仕事の行き詰まりが続いた。そしてとどめの一撃は、支援を殆ど失って、完全にひとりぼっちになってしまったことだった。

上司が現場に降りるようになってきたことに少しずつ気づきだしたのは、この上司が、ある現場の女の子に親しく話をするようになってからだった。これが酷くなってきたことから、私自身嫌悪感を抱くようになった。仕事上での私への態度も冷淡化してきていたため、いっそのこと距離を置こうと新しい仕事「介護予防」に入ることを決心したのだった。

この頃の上司は少し感情的で不安定な状態でもあった。私はそれに気づいていたが、それが確執に拍車をかけた。この上司は新しい介護予防に賛成はしておらず、当初関わりを持たないようにしていた私の心変わりに反感を持っていたようだった。

今考えると、そうしなくても結果は同じことであったと思う。現場では上司の行動を読んで変わったのかもしれないが、逐一指示をする方式に切り替えた上司のやり方に、いつかは衝突したであろうと思う。

介護予防の仕事は、当初順調にいくかに見えた。しかし、総責任者の考え方がさっぱりつかめず、おまけに意見の衝突が続いた。何もかもが初めてであること、そして企画や計画を一人で作り上げていかなくてはならなかったことで、不安が大きくなり出した。そんな中、彼女から別れを突然突きつけられてしまう。

彼女との別れに衝撃を受け、しかも部屋を出ないといけないことになった私は、私生活と今までの仕事、それに新しい介護予防の仕事と三つの掛け持ち状態になった。誰にも相談できない状況下、再び上司と相談しながら決めていく方法を選んだが、それも次第に総責任者からやり方に横やりが入り、不可能となってきていた。

心の衝撃が大きく、落ち込んでいるときに激しく厳しい叱咤が続いた。引っ越しもしながら仕事を家に持ち込んでのバタバタであったが、これも中々理解してもらえなかった。おまけに新しい仕事をする場所は、辞めさせられ部屋ばりの離れであって、寂しいものだった。

孤独と不安、しかも仕事上の相談相手を失った私は、ついに白旗を上げることにした。
元々、この方向はケアマネを生かす仕事をさせてもらえるということで始めたことだった。しかし、そこに至るまでの道のりは残酷なほどに悪路が多いように思えた。まるで少しばかり体を鍛えた状態で「3,000メートル級の山」に登るような、そんな気がしていた。

企画を立てることは、そんなに難しくはなかった。
難しかったのは、基地外のような総責任者の態度と考え方だった。話を聞いていると、全てにケチを付けているようだった。なんだか、新しい事業を始めるには素人のような気がしていた。それが最終的には確信に変わり、私はこの仕事から手を引くことにした。

辞意を伝えた後、総責任者から人格否定を交えた激しい罵倒と叱責を食らった。私は耐えることにした。これをうまくしのげば、後はなだらかな下り坂が待っているはずだ。そう思った。
総責任者は私にかなりの不信感を抱いていた。いや、嫉妬とかもかなり混じっていたように思う。その感情は、おそらくこの人一人のものでは無かったはずだ。今ではそう思う。

これから、新しい章の一ページが始まる。
この先にどんな未来が待っているのか、さっぱり想像がつかない。しかし、私にはもう先に進むしか道が残されていない。とにかく、切れ目のない就職を目指してがんばっていこうと思う。

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